
場所:近未来のショールーム。鏡のように光るEVコンセプトカーを前に、三人が立っている。
タカシ:
「最近の車、なんか全部“未来の冷蔵庫”みたいやな。グリルもボンネットもツルッとしてて、表情がないっちゅうか……。」
AIくん:
「それは必然なんです。EVはエンジンルームが不要になったことで、**キャブフォワード(居住空間の拡大)**が可能になりました。
つまり“人を中心に設計できる時代”になったということです。デザイナーはもう、ボンネットという“呪縛”から解放されたんですよ。」
幽子ちゃん(車の反射面に自分を映しながら):
「つまり……中身を詰め込むより、空間そのものを美しくする時代なのね。」
タカシ:
「もしや、幽子ちゃんに近い存在?」
AIくん:
「外観のトレンドも大きく変わっています。
EVではラジエーターグリルが不要になり、冷却穴を塞ぐことで空力性能を最大化。
シームレスなボディ、薄いヘッドライト、滑らかな曲面が“新しい美しさ”になっています。」
タカシ:
「確かに、最近の車は“風に話しかけるデザイン”って感じやな。
無駄がないというか、風洞実験室の哲学みたいな。」
AIくん:
「そして、もう一つの革命はインテリア(内装)です。
テスラに代表されるように、中央の巨大ディスプレイ、またはピラーからピラーまでのワイドスクリーンが主流になりつつあります。
物理ボタンを減らし、すべてを直感的なタッチ操作で完結できる。つまり“車内がスマートフォンになる”時代です。」
幽子ちゃん:
「 でも、ボタンが減るほど、寂しくなる気もするわ。物理スイッチって、なんか安心感あるもの。」
タカシ:
「幽子ちゃんは物理的な存在やないから、安心感ないもんな……。」
AIくん:
「色彩のトレンドも変化しています。黒・白・シルバーといった定番に加え、アースカラー(カーキ、カッパー、紫系)が人気です。
アウトドアブームと“自然との調和”を意識するデザイン思想が、高級EVにも広がっているんです。」
タカシ:
「なるほどな。自然と未来、テクノロジーと土の匂いの融合か……。
なんか、EVって無機質に見えて、実は一番“人間らしい進化”なのかもな。」
幽子ちゃん:
「ええ。だってEVは、もう“音も匂いもない”のに、心を動かす形をしているの。惹かれるわ……。」
タカシ:
「……親近感かな?」
まとめ:「形を失って、美しさが宿る」
EVと自動運転が進むほど、車は“機械”から“空間”へと変わる。
動力を持たない静けさの中に、人の感情と思想がデザインされる時代がやってきた。
もはや車は、走るための道具ではない。
それは“動く建築”であり、“走る哲学”なのだ。
